読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

RENT 20周年記念ツアー 来日公演

感想 演劇
12/24 15:00 @東京国際フォーラムホールC

念願のブロードウェイキャスト版。

とにかくよかった。

これまで、映画と日本語版舞台を見たけれど一番歌詞の意味が入ってきた。
サントラは死ぬほど聴いているけれど、歌の意味がようやくわかった、っていうシーンがいくつもあった。
見慣れたシーンにも新鮮な発見があって、「オリジナル版」だからこそ、既存の演出から自由になれるというのが見て取れる。やっぱりブロードウェイで見なくちゃいけないんだなと思った。
完成されたクオリティの中で、小劇場感を失わない舞台美術も生き生きとして見えた。
エンジェルとモーリーンがこれまで見たどのRENTよりも美人だった。
I'll cover youのリプライズは抑制がきいた演技だったけれど、それでも涙がこぼれてきた。

いっしょに観た友人はある意味この作品は古典になったというようなことをいっていたけれど、
たしかに、RENTはミュージカルとしてのクオリティからすれば、十分に古典となる強度を持った作品だ。
けれど、90年代のニューヨークの影の部分を描いたこの作品が、今日本で見ても魅力を失わない理由のひとつは、
この作品が「今でも」「私たちにとっての」アクチュアリティを維持しているからなのは間違いない。
素晴らしい音楽の一曲一曲が、普遍的・古典的なテーマから時代性の強いメッセージまで、力強い色彩のグラデーションを描き出す。
その波が、切実に観客に迫ってくるからこその感動を私たちは感じることが出来る、そして、その波を、私たちはまだ、感じなくてはいけない。
貧困は最近の日本でまさにクローズアップされているし、セクシュアリティジェンダーについてもようやく表立って議論されるようになってきたところだ。
RENTの同時代性を乗り越えて、この作品が本当に古典となる日はやってくるだろうか。

クリスマスイブの夜、丸の内でイルミネーションを歩きながら、
こんな日にミュージカルなんか見て、なんか矛盾を感じないではないのだけれど、
すごく幸せな気分に浸りながら、ぐるぐるといろんなことを考えました。