一人 / と / 一群

Project Le mat 0 x 集合芸術ANDAZ ART Work NO.IV

「一人 / と / 一群 〜Not alone But a Family〜」

@ザムザ阿佐ヶ谷 6/9 13:00〜

 

 友人が出演するということでなにかに引き寄せられたのか、2週連続で小劇場。この公演は演出の一人も学生時代の知り合いで、彼の公演を見るのは、それもまた5−6年ぶり?ぐらい。前回見たときは、暗く、内向きなストーリーがあんまり好みじゃなかったと言うような感想だった気がする。前回の印象があったので、今回も暗い話しだったら嫌だな、と思っていたのだけど、いい意味で期待を裏切ってくれた。

 ストーリーはアンドロイドもの近未来SF。エンタメ作品としてもとてもよく考えられた脚本で、最後まで破綻なく見せてくれるし、大きなテーマとしては家族のあり方を扱っているんだけど、今上演される演劇としての社会性もちゃんと帯びた優れた舞台だったと思う。ただ、それだけに少し気になるところも。

 「大人は自分のやったことに責任を取らないといけない」という主旨の長い独白が終盤にあってなかなか響くんだけど、社会的な弱者を主人公に描く中で、最終的に自己責任論に落ち着くのは、問題があるように思った。でも、その独白は総合演出を務める本人が役者として行うもので、これが真に迫る迫力で伝わってきたということは、ここに強い主張が置かれていると考えていいのだろう。

 5−6年前に見た舞台では、学校の中だけで生きる生徒達の鬱屈とした感情みたいなものが主題になっていたようにうっすら記憶しているんだけど、今回は箱庭の中でなんて生きられないんだよ、という別の厳しさをメッセージにしてきているということだろうか。なかなかよく考えられている話しなだけに、いろいろと考えながら見ていた。

 舞台を埋め尽くすような人数の役者達による群読を駆使したパワフルなセリフ運びなど、大変エネルギッシュな舞台なんだけど、とてもよく演出されていて、よくあの人数をあのクオリティで動かせるなと感心した。役者も適材適所に感じる、ということは演出が行き届いているということだ。なまじ、制作側の人を知っているので、これだけの規模でお芝居をやるのって本当にすごいなあと思う。しかもそれを5年以上続けているのだ。これからももっと活躍して、いろんな芝居を作っていって欲しい。