東京都写真美術館 世界報道写真展 他

世界報道写真展

 毎年行くことにしている。世界で(欧米で、か)注目されているニュースのトピックがわかるのと、写真のレベルが高い。今年はパレスチナ、シリア、東北。大震災の写真が今年も大きく取り上げられてた。今年の大賞を取った写真はすごい。パレスチナのこどもの葬列なんだけど、真正面から鮮明に撮っているのに、カメラを見ている人がほとんどいない。こういう写真をどうしたら撮れるのかっていうと、いっしょに歩いてずっと撮ってるしかない。葬列の嘆く人々は写真に切り取られる一瞬だけ嘆いているのではない。

 気になる写真は、アフリカの病院船で撮ったという患者の組写真。イボだらけだったり、顔がゆがんでいたり、大きなこぶがあったりする人の写真なんだけど、言い方は悪いが普通に写真に撮るだけで、顔がゆがんでいるせいでピカソの絵のような表現になってる。病気の苦労を説明するキャプションがついている一方で写真は明らかに彼等の「造形」を主題にしていて、あやしい視線だな、と思った。

 色素欠乏症の少女、夫に酸をかけられて顔が溶けてしまった親子、力士、等々、報道のための写真がとても美しく彩られてしまう。魅せてしまう。ある画角のある一瞬を切り取ることで、クローズアップすると同時に、本来の文脈を引きはがすことも出来てしまう。こういうところが写真のすごいところだと思う。

 今年はメキシコのおばさんプロレスはなかった。


『米田知子 暗なきところで逢えれば』

 落ち着いた基調のテーマ性の強い写真。時間の経過を感じさせるような。手書きの原稿にレンズを当てて撮った写真など。テーマが見えると写真は見やすい。


『写真作品のつくりかた アングル・焦点・光のあつかい・暗室作業』

 3階の収蔵品展はホントにオススメ。写真の技法をわかりやすく作品を通して理解できるように、毎回考えられていてすごく勉強になる。時々有名な作品も織り交ぜられてて、何度も見たことある写真も新しい見方が出来るようになったり。今回も暗室技法のところとかすごく面白かった。


 帰りにガーデンプレイスの広場でビアガーデンをやっていて、気持ちよかった。