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擬流行語大賞選評

 日本人は伝統的に、時に厳しい表情を見せる自然と共生することでそこから多くの恵みを受けて生活してきました。しかし2011年の東日本大震災、ともに生きるにはあまりに過酷な自然の猛威を前にして、私たちはただ立ち尽くすしかありませんでした。スギちゃんさんの「ワイルド」は、そんな自然=ワイルドとの距離感を見失ってしまい、自らを自然に自然の中に置くことが出来なくなってしまった日本人の虚無感や寂寞感を、お笑いの文脈で巧みに表現しました。

 「震災後」としての2012年は、続く政界の混乱、領土問題や米軍基地問題に発する対外関係の悪化など、不安に満ちた船出でしたが、ロンドンオリンピックでの選手達の大活躍や、山中教授のノーベル賞受賞など明るい話題も多く、落ち込んだ日本をおおいに励ましてくれました。スギちゃんさんがお茶の間にもたらした笑顔は、なおも前を向いて「ワイルドに」歩んで行こうとする、復興への力強い意志を発信し続けた今年の日本の姿でもあります。

 日本の2012年のありのままをあらゆる世代に幅広く伝えた言葉として、そして来年への元気な日本への願いを込めて、「ワイルドだろぉ?」を選出いたしました。